セカンドライフ:『007は二度死ぬ』の再現
ショーン・コネリーは、1967年のジェームズ・ボンド映画『007は二度死ぬ』で、仕立てられた服を比較的少ない数着しか着ていなかったが、フランス海軍のモヘアのツーピーススーツは、コネリーが007として出演していた間、アンソニー・シンクレアが作った他のラウンジスーツすべてに使われていた標準的な2つボタンの構成ではなく、フロントが1つボタンであるという点で独特であった。
日本の夏の暑さと湿気をしのぐため、ウールとモヘアの軽やかな混紡素材を採用しました。平織りのオープン織りは通気性に優れ、モヘア繊維が糸に弾力を与えてシワになりにくく、涼しくすっきりとした印象を与えます。フロントボタンという異例の仕様を除けば、このスーツはシンクレアの定番「コンジットカット」を採用しています。自然な肩、ロープ状の袖口、胸元のドレープ、そしてウエストの絞りが特徴的です。
これは、アンソニー・シンクレアがショーン・コネリーのためにデザインした60年代デザインのスーツの最後の1着となりました。コネリーはこの映画の完成後、役から引退することを発表していました。もちろん、コネリーとシンクレアは1本の映画出演を終えた後、1971年に再びボンド役に復帰しましたが、『007は二度死ぬ』で着用された青いスーツ、カクテルカフスシャツ、ニットタイは、ボンドの原作者イアン・フレミングが想像したであろうボンド像を最もよく表していると言えるでしょう。控えめでエレガント、そして無駄を削ぎ落としたスタイルは、「Less is more(少ないほど豊か)」という格言を体現しています。
2022年に007映画60周年を迎えるにあたり、アンソニー・シンクレアは、60年にわたるボンドスタイルの軌跡を記念する、スパイウェアのエッセンシャルアイテム60点コレクションを制作しました。『007は二度死ぬ』に登場するフランス海軍のツーピースモヘアスーツの復刻版は、必ず選ばれるはずでした。